□外断熱の特徴とは？役割や工法について

快適な室内にしたいなら、断熱について押さえておきましょう。
断熱とは断熱材を建物の内部に入れて、外気の熱の出入りを遮断するものです。
断熱には外断熱と内断熱があります。
内断熱と外断熱はこの断熱材を設置する場所に違いがあります。

外断熱は柱の外側で熱を断つように断熱材を設置する方法です。
柱と壁の間に断熱材を設置します。
ぐるっと建物を包むような構造になっており、ひと続きでできています。
非常に気密性が高く、屋内の温度を外へ逃がしません。
外断熱は冷暖房の使用を控えることを目的として使われていることからも分かるように、断熱性が高い工法といえます。

外断熱は熱も逃がさず、湿気も逃がさないという特徴があります。
そのため、屋外の気温と室内の気温の差を少なくできます。
その結果、結露を防げるのです。
建物内部に結露が発生すると、建材が腐る原因やカビの繁殖につながります。
カビはアレルギーの原因にもなるため、内部結露は室内からは見えませんが、できるだけ防湿することが必要です。

外断熱には2種類の工法があります。
まず、湿式工法です。
これは熱断熱をコンクリートに密着、接着させる工法です。
コンクリートに密着させるため、軽量で透湿性のある素材を使います。
建物が軽量化できるメリットがあるため、壁面内で夏型結露が起きにくくなります。

もう一つの工法が乾式工法です。
乾式工法では、外断熱と断熱材との間に水蒸気の逃げ道をつくっているのが特徴です。
そのため、湿気による建材への影響が少なく済みます。

□外壁に適した断熱材の特徴とは？

外断熱工法に適した断熱材の特徴は「燃えにくいこと」です。

特に日本の住宅の構造上、燃えにくい断熱材を使用したほうが良いでしょう。
日本の住宅は住宅同士の間隔が狭く、隣どうしの住宅の距離が近い傾向にあります。
さらに、日本では木造住宅が主流です。
そのため、日本の住宅において火災による延焼は注意すべき点です。
家どうしの距離が近い日本の家では外壁付近に燃えやすい断熱素材が使用されていると、どんどん延焼してしまいます。

また、断熱材の中には、燃えるとシアンガスをはじめとする有毒な燃焼ガスを出して、健康に害を及ぼすものもあります。
そのため、外断熱の場合は燃えにくい素材を選択すると安心して使用できるでしょう。

□外壁におすすめの断熱材は？

外断熱に使われる断熱材は繊維系断熱材と発泡プラスチック系の断熱材です。

無機質繊維系断熱材はガラスを原料としているグラスウールや岩石が原料となっているロックウールがあります。
これら無機質繊維系の最大のメリットは価格が安いことです。
そのためコスパよく使用することが可能です。
特に昔の住宅では断熱材の重要性がまだまだ知られていなかったため、安価なグラスウールが人気でした。
グラスウールやロックウールは耐火性も十分で火事の際でも安心して使えるといわれています。

その一方で、健康に影響を及ぼすホルムアルデヒドが含まれているといわれており、一時期話題になっていました。
有毒性の高い素材ではありませんが、シックハウス症候群などの懸念がある場合はよく考慮して使用しましょう。

続いて、発泡プラスチック系の断熱材です。
発泡プラスチック系はその名の通り、プラスチック成分を発砲させて作った断熱材です。
中でもパイナルフォームや硬質ウレタンが人気です。
発泡プラスチック系のメリットは湿気に強いことや耐水性が高いことが挙げられます。
また、軽量でプレカットが自由にできるため、施工性に優れており、隙間なく張れるのもメリットです。

最近は高断熱、高気密の住宅の人気が高いですが、このような住宅には発泡プラスチック系の断熱材が使用されています。
グラスウールに比べると値段が高いところがネックです。

しかし、断熱性能や先々のリフォームの頻度を考えると、長く安定して使える発泡プラスチック系の断熱材は高いとは言い難い価格です。
また、耐震性も高く、地震の際にも建物を守ってくれます。
そのため、中古物件のリノベーションの際に耐震性も考慮したいという場合は、発泡プラスチック系の断熱材を使用するとよいでしょう。

□まとめ

今回は外断熱についてその特徴や使われる断熱材をご紹介しました。
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